健康のお悩み

  • 不眠症

    不眠の原因はいろいろなものがあります。大きくはストレスによるもの、日ごろの運動不足によるもの、寝る前のスマホやパソコン作業など様々ですが、女性の方では更年期障害によるものなどもあります。最近ではご高齢の方の不眠も増えています。
    漢方処方としては、患者さんの生活習慣、精神状態、体力などを見極めつつ、主に「気」の停滞を解消する処方を用います。例えば、仕事のストレスが強くて寝つきが悪い場合は、緊張状態の緩和やストレスの軽減を目指します。女性の方で更年期における自律神経の失調に起因するような不眠の場合は血の道症向けの処方を用います。

  • 鼻炎、花粉症、蓄膿症

    アレルギー性鼻炎や花粉症は、体の中のリンパ球がアレルギーに関与する抗体(IgE抗体)を作ることが原因となって発症します。漢方では体内の「水」の過剰や偏りにより起こることが原因(これを水毒と言います)と考え、主に体内の水を整える処方を用います。アレルギー反応が慢性的におこり、副鼻腔内で細菌が繁殖して炎症が起こる状態を蓄膿症といいます。アレルギー性鼻炎、花粉症、蓄膿症の何れの病気も、漢方薬によってアレルギー体質そのものを改善することにより完治に導くことができます。

  • 気管支喘息

    気管支喘息はアレルギー反応などにより慢性的に気管支炎が起来ている症状で、慢性化が続くとアレルギー反応が無くても気管支が過敏になって行きます。最悪の場合は発作(喘息発作)を引き起こし命に係わる怖い病気です。喫煙やばい煙の吸入など明らかな要因がない場合、9割以上がハウスダストやペットの毛などによるアレルギー反応が原因であり、この場合も水毒を解消する処方が用いることが多く、症状(喀痰の性質など)により使い分けます。

  • 常習性便秘

    便秘と一言にいっても、裏に大腸がんや子宮筋腫などの病気が隠れている場合(器質性便秘といいます)があり、安易な診断で処方を決定することは危険です。多くの方の便秘は病気がない便秘(常習性便秘)と言われるもので、これには緊張型と弛緩型の2種類があります。漢方処方としては患者さんの体質や性格、年齢および精神状態によって処方を使い分けます。

  • 慢性胃炎、胃潰瘍

    慢性胃炎は生活上のストレスの蓄積などにより胃の表面が常に荒れた状態となる場合(表層性胃炎)や、胃粘膜の機能低下や老化などにより胃酸が出にくくなる場合(萎縮性胃炎)などがあり、前者の場合はストレスの軽減を、後者の場合は体質改善を考慮する必要があります。一方、胃炎が進展して潰瘍化したものを胃潰瘍といい、これに十二指腸潰瘍を合わせて消化性潰瘍と言います。消化性潰瘍は再発を繰り返し易く、漢方薬の継続により再発を抑えることが可能になります。なお、若い女性で胃の調子が悪い場合は、胃アトニーや胃下垂を考慮する必要があります。

  • 生理不順、生理痛

    女性の子宮を中心とした血液の流れの過不足や血流が滞ることに伴って生じる身体的な不調を漢方では「血の道症」言います。血の道症を解消するためには主に子宮に温かくかつ潤沢に血液を循環させる処方を用います。

  • 不妊症

    不妊症の場合、男性側に問題がある場合と女性側に問題がある場合があります。それだけでなく、妊娠を妨げる何らかの異常がある場合(器質性不妊)とそのような異常が無い場合(機能性不妊)があります。漢方が得意とするのは機能性の不妊です。
    男性側に問題がある場合は、精子の量が少ない場合や運動能に異常がある場合などがあり、腎精の不足を補うために八味地黄丸、補中益気湯、また滋養強壮系の処方を用います。女性の場合は血の道の低下および卵子の老化などの問題が考えられ、以下のような処方を用います。

  • 更年期障害

    閉経に伴う女性ホルモンの分泌の乱れに伴って自律神経の働きが不安定となり、様々な症状が発生します。年齢としては42~55歳くらいの女性が該当し、十人十色の症状が現れます。また女性の方にとって、この年齢の頃には家庭内の諸問題が重なる時期でもあり、ストレスにより自律神経の働きが不安定になりやすい(自律神経失調症)時期でもあります。症状の出方によって処方を使い分けますが、むしろ血の道の改善を優先した方が良い場合もあります。

  • アトピー

    アトピーはアレルギー反応が皮膚で起こり、それに伴って皮膚炎が起こる症状を言い、漢方では水毒を解消する処方や体質改善を狙った処方を用います。皮膚炎の状態によって大きく乾燥性と湿潤性に分けられ、また服薬される方の体力の有無によって用いる処方を使い分けます。

  • 慢性頭痛

    頭痛の症状がある場合は、脳腫瘍や塞栓、出血などの大きな病気が隠れている場合もあるため、西洋医学による検査を優先すべきです。漢方が得意とするのは大きな病気がなく慢性底に続く頭痛(常習性頭痛)です。常習性頭痛には片頭痛、緊張性頭痛、心因性頭痛があり、用いる処方が異なります。